■ FLASH☆STAR 番外編
傍らに咲く花に…
聖音亞零
傍らに咲く花に…
聖音亞零
結局―――
居てもたっても居られなくなって予定より10分15分早く会場に来てしまった。
こんなんで、自分の時大丈夫か? 俺?
会場は物理教室。外廊下に面している教室の中では1人、また1人と朗読を繰り返していた
開け放された窓から聞こえてくる声
あまり、感じるものは無かったが、小野寺の番を、廊下で朗読を聴きながら待っていた
本当に、雲ひとつ無い青空。
照りつける太陽が痛いくらいで…
「ふう…」
思わず、ため息1つ。
少し夢見心地で目を閉じて…
ぽふっ
ぽふ?
何か飛んできた。
目を開けると廊下に面した窓際で消しゴムを千切って少しムスッとしてる女子が1人。いや、小野寺なのだが。
ああ。消しゴムが飛んできたワケね。
他人事の様に考えていると小野寺の口が何か動いている事に気付く
口パク?
わ・た・し・す・き・で・す????
いや。おかしいだろ。
若干違う。
「ああ。」
何か都合の良い様に解釈したというか頭がボケていたらしい。
『私、次です』
多分、そう言いたかったんだろう。
指でOKサインを出す。
前の発表者が終わった所で俺は教室に滑り込んだ。
教壇には、小野寺。
不安そうな緊張したような表情を浮かべている。
チラリ、と目が合う。
「大丈夫」と、口を小さく動かしてやる。
それが分かったのか分からなかったのかは知らないが、小野寺は深呼吸1つして読み始めた―――
「24番。小野寺美鈴―――」
…悲恋
俺は、その小説を読んだことは無い。
どんな話なのか。なんて事も知らない。
ただ、小野寺の朗読で。しかも今回初めて聞くストーリー。
近く、消え行く彼女の分身と。彼女自身。
その2人の間で揺れる男。
両方とも彼女自身で。2人とも別々の人。
現実問題、有り得ない様な話。
2人の女性の間で揺れる――――
愛と他の感情の違い…
心にジンと来た
話の内容が、深く、感じさせられるモノがあったのも事実
だけど、小野寺の声に、読みに…更に杭を深く打たれた感じがあった
たった2分が終わった後。俺は、とても、妙な気持ちになっていた―――
☆
俺は先に教室を出て、廊下の先で待っていると小野寺が後を追うように出てきた。
少し疲れたような。達成したような表情で。一言。
「緊張しましたぁ…」
よろよろと小野寺が壁に手を付く
「ほら、まだ決勝があるだろ。しっかりしろ」
「あう。ダメです。終わりました…」
小野寺がおよよと泣くような真似をする
「でも、俺、4、5人しか聞いてないけどお前のが1番良かったと思うぞ?」
本当に。素直にそう思った。
あそこまで引き込まれる読みなんて中々ないんじゃないか。
そう、感じた。
「先輩がそう言うなら…。……先輩は今からどうします?」
「んー…放映会も魅力的だけど。一応原稿も読み込んどかなきゃなぁ…」
「そうですねぇ。じゃ、行きましょ」
小野寺が先に体育館へ歩き始める
「って。お前は放映会行かないの?」
「当然ですよ。だって、先輩、気をつけて聴いてないと助詞伸ばしたまんま読むんですもん。」
さっきの疲れた様な。複雑な表情は何処へやら
小野寺は少しはにかみながら体育館への階段を駆け下りて行った――――
☆
「――助詞のチェックするんじゃなかったのかよ」
カルピスを飲みながら一言、呟いた。
あの後、『それじゃあ、聞いてますから。読んで下さい』とか言われて。
読んでる間に小野寺は俺の後ろ。壁側に回っていた。
後ろから聞かれた方が俺も意識しなくて済むから良かったんだけど―――
「寝てちゃあな……」
―――彼女は壁に身体を任せてお休みになっていた
まあ、緊張して昨夜眠れなかったのもあるんだろう
あえて起こさずに置いておいた
―――にしても……。
ここ最近、小野寺の様子がおかしい。
否、俺の方が変なのか?
アイスの件といい。昨日といい。今朝といい。
何か小野寺が愛おしい様な。変な、感情。
今朝なんか榊の前で―――いや、そもそも榊に対しての感情の変化―――?
単に、ここ最近大会前で疲れているだけ―――?
変だ。ホントにどうかしちまってる――――
『12:00になりましたら、アナウンス、朗読部門アナウンス部門決勝進出者を体育館前にて掲示致します―――』
放送で現実に引き戻される
時計を見ると、11:55を示している
体育館の外に移動する集団が目に付いた
「おい。小野寺。小野寺ってば!」
「何ですか先輩……ふぁ…」
寝惚け眼の小野寺に手を差し出す
「ほら、決勝進出者発表だぞ。」
「え……あ。もう、そんな時間なんですか?」
「あと数分。決勝進出の受付もあるんだから、早く行くぞ」
「プレッシャー……」
意外と素直に。自然と差し出した俺の手をギュッと掴んで、小野寺は立ち上がった。
「ううー…恐いなぁ…」
「ここに居たって仕方ないだろ。ほら。」
少し冷たくなっている手を握ったまま、俺と小野寺は結果待ちの集団の中へ入って行った―――
結果は既に貼り出されている。
小野寺の手を引きながら1番前に出た。
壁に貼り出された広用紙。
どちらとも無く、手に力が入る
広用紙の数字を流し見ていく
24番……24番……24…
「「あ…」」
声が重なってしまった――――
朗読部門決勝進出者―――
24の数字は間違いなく、用紙に記されていた――――
「言っただろ。お前は良い線行ってるって!」
「決勝……行っちゃった…」
去年もここまでは進んだ。
そう、ここまでは。
再び、去年と同じ舞台。
全国を掛けた舞台――――
居てもたっても居られなくなって予定より10分15分早く会場に来てしまった。
こんなんで、自分の時大丈夫か? 俺?
会場は物理教室。外廊下に面している教室の中では1人、また1人と朗読を繰り返していた
開け放された窓から聞こえてくる声
あまり、感じるものは無かったが、小野寺の番を、廊下で朗読を聴きながら待っていた
本当に、雲ひとつ無い青空。
照りつける太陽が痛いくらいで…
「ふう…」
思わず、ため息1つ。
少し夢見心地で目を閉じて…
ぽふっ
ぽふ?
何か飛んできた。
目を開けると廊下に面した窓際で消しゴムを千切って少しムスッとしてる女子が1人。いや、小野寺なのだが。
ああ。消しゴムが飛んできたワケね。
他人事の様に考えていると小野寺の口が何か動いている事に気付く
口パク?
わ・た・し・す・き・で・す????
いや。おかしいだろ。
若干違う。
「ああ。」
何か都合の良い様に解釈したというか頭がボケていたらしい。
『私、次です』
多分、そう言いたかったんだろう。
指でOKサインを出す。
前の発表者が終わった所で俺は教室に滑り込んだ。
教壇には、小野寺。
不安そうな緊張したような表情を浮かべている。
チラリ、と目が合う。
「大丈夫」と、口を小さく動かしてやる。
それが分かったのか分からなかったのかは知らないが、小野寺は深呼吸1つして読み始めた―――
「24番。小野寺美鈴―――」
…悲恋
俺は、その小説を読んだことは無い。
どんな話なのか。なんて事も知らない。
ただ、小野寺の朗読で。しかも今回初めて聞くストーリー。
近く、消え行く彼女の分身と。彼女自身。
その2人の間で揺れる男。
両方とも彼女自身で。2人とも別々の人。
現実問題、有り得ない様な話。
2人の女性の間で揺れる――――
愛と他の感情の違い…
心にジンと来た
話の内容が、深く、感じさせられるモノがあったのも事実
だけど、小野寺の声に、読みに…更に杭を深く打たれた感じがあった
たった2分が終わった後。俺は、とても、妙な気持ちになっていた―――
☆
俺は先に教室を出て、廊下の先で待っていると小野寺が後を追うように出てきた。
少し疲れたような。達成したような表情で。一言。
「緊張しましたぁ…」
よろよろと小野寺が壁に手を付く
「ほら、まだ決勝があるだろ。しっかりしろ」
「あう。ダメです。終わりました…」
小野寺がおよよと泣くような真似をする
「でも、俺、4、5人しか聞いてないけどお前のが1番良かったと思うぞ?」
本当に。素直にそう思った。
あそこまで引き込まれる読みなんて中々ないんじゃないか。
そう、感じた。
「先輩がそう言うなら…。……先輩は今からどうします?」
「んー…放映会も魅力的だけど。一応原稿も読み込んどかなきゃなぁ…」
「そうですねぇ。じゃ、行きましょ」
小野寺が先に体育館へ歩き始める
「って。お前は放映会行かないの?」
「当然ですよ。だって、先輩、気をつけて聴いてないと助詞伸ばしたまんま読むんですもん。」
さっきの疲れた様な。複雑な表情は何処へやら
小野寺は少しはにかみながら体育館への階段を駆け下りて行った――――
☆
「――助詞のチェックするんじゃなかったのかよ」
カルピスを飲みながら一言、呟いた。
あの後、『それじゃあ、聞いてますから。読んで下さい』とか言われて。
読んでる間に小野寺は俺の後ろ。壁側に回っていた。
後ろから聞かれた方が俺も意識しなくて済むから良かったんだけど―――
「寝てちゃあな……」
―――彼女は壁に身体を任せてお休みになっていた
まあ、緊張して昨夜眠れなかったのもあるんだろう
あえて起こさずに置いておいた
―――にしても……。
ここ最近、小野寺の様子がおかしい。
否、俺の方が変なのか?
アイスの件といい。昨日といい。今朝といい。
何か小野寺が愛おしい様な。変な、感情。
今朝なんか榊の前で―――いや、そもそも榊に対しての感情の変化―――?
単に、ここ最近大会前で疲れているだけ―――?
変だ。ホントにどうかしちまってる――――
『12:00になりましたら、アナウンス、朗読部門アナウンス部門決勝進出者を体育館前にて掲示致します―――』
放送で現実に引き戻される
時計を見ると、11:55を示している
体育館の外に移動する集団が目に付いた
「おい。小野寺。小野寺ってば!」
「何ですか先輩……ふぁ…」
寝惚け眼の小野寺に手を差し出す
「ほら、決勝進出者発表だぞ。」
「え……あ。もう、そんな時間なんですか?」
「あと数分。決勝進出の受付もあるんだから、早く行くぞ」
「プレッシャー……」
意外と素直に。自然と差し出した俺の手をギュッと掴んで、小野寺は立ち上がった。
「ううー…恐いなぁ…」
「ここに居たって仕方ないだろ。ほら。」
少し冷たくなっている手を握ったまま、俺と小野寺は結果待ちの集団の中へ入って行った―――
結果は既に貼り出されている。
小野寺の手を引きながら1番前に出た。
壁に貼り出された広用紙。
どちらとも無く、手に力が入る
広用紙の数字を流し見ていく
24番……24番……24…
「「あ…」」
声が重なってしまった――――
朗読部門決勝進出者―――
24の数字は間違いなく、用紙に記されていた――――
「言っただろ。お前は良い線行ってるって!」
「決勝……行っちゃった…」
去年もここまでは進んだ。
そう、ここまでは。
再び、去年と同じ舞台。
全国を掛けた舞台――――
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