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株式会社る〜くほ〜む【図書部】
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■ オタック戦隊萌エルンジャー〜prismatic century〜
       Ep.4「闇の力」
マサシ
炎の壁に阻まれようとも、ナイフを投げることを止めないアカリ。一体いくつものナイフを隠し持っているのか?

「何で…攻撃が止まらないの!徹…もうあと少ししか持たない…」
「もう少し辛抱してくれ!頼む!」

明らかにおかしい。先ほど徹へと向けられたナイフの本数は推定6本。指の数からして多くても8本だろう。それを現在まで同じだけ投げているのだから。

――もしかしたら…あれは彼女の能力?

「しつこい炎だ!だが…」

炎の一部が一瞬だけ弱くなる、その音をアカリは逃さない。
その一部分にナイフが投げ込まれる。弱所に直撃すると、炎の壁が崩れ始めた。

「もう…だめ…!」

完全に崩壊する壁。しかし炎はまだ残っているようだ。

「うおぉぉ!灼熱大回転ー!」
「太陽君…」

イエローの灼熱大回転は威力を劣らせず、かろうじてナイフを防ぎきった。

「太陽!おそらくソイツのナイフが途切れることはない!」
「それは…彼女の能力ってことですか?」
「ご名答だ。私のナイフは自身が発生させている。つまり私の力がなくならない限り、途切れることはない。小型のナイフを出すのにそんなに力は使わないからな、だがこれだけ攻撃を蓄積させれば…おのずと壊れていく」

その時、徹の下にわずかに光が指した。
炎にさえぎられたナイフが壁に飛び、壁にほんの少し穴が開いていたようだ。

――この光は…闇に飲まれない…?

「…確かこの城は…」

徹は三枝に与えられた地図、城の外形を思い出していく。
1階、2階、3階…と。

「…まさか…いや、いける!界蟲一幻!」

近くの壁にエネルギーの衝撃波を与え、壁を破壊する。すると、月の光が大きく差し込んだ。

「…あの方の闇の力は絶対…!壁を破壊したところでこの闇は…」
「残念だったな」
「何?」
「この闇はこの外の光を飲み込むことはできないみたいだな。つまり、“月の光”には闇は勝てないってことか?」

この城は、実は2階には窓が少ない。廊下側には完全に壁があるだけで、まったく隙間がない。このような造りになっているのはなぜか分からないが、恐らく人為的にこのフィールドを作り出したと考えるのがいいだろう。目が見えず、耳が優れているアカリの最高のフィールドであろう。

「…だからどうした?これであたしに勝った気でいるんじゃないだろうな?まだ私は力を出してないぞ」
「それはこっちの台詞だ、二幻刀!」

徹の刀、六幻が光を放ち、2本に増える。

「…ならば私も力を見せよう」

掌を上に向け、そこに力を集めていくアカリ。出来上がったナイフはナイフと呼ぶにはおかしい巨大な刃を持っている。刀に形状は近いものとなっていた。

「いくぞ!」
「おう!」

先にアカリが仕掛ける。目でその姿を確認できるようになっていても、そのスピードはなかなかに見える。
ナイフを振付ける、徹はそれを二本の刀で防御した。
思わず後ずさりをしてしまう。それほどまでに重い一撃だったのだ。ナイフの大きさにしては、かなりのスピードで振ってくる。

「フン、これは防いだか。だがこれはどうだ?」

左手をナイフから離し、その掌を上へと向ける。すると二本目の巨大なナイフが出現する。
振り下ろされる二本目のナイフ。

「こ…のぉ!」

刀を傾け、なんとか二本目を受け流し、後退する。

「とんでもないもん振り回しやがって…」
「徹!なにやってんのよ!?」
「わかってるよ。お前との半年…無駄じゃないってことを見せてやる」

「ふっ」

思い切り地面を蹴り、スピードをあげて移動する。

「あたしのナイフはあたし自身には重さを感じることはない。だからあんたが速くたってあたしには対応できる」

横を駆け抜けようとした徹に右手のナイフで攻撃する。しかし当たらない。
更なる一撃、しかし、避けられてしまう。

「なんで…なんで当たらない!
「遅いんだよ、お前が」
「そんなことは!」

声がした背後に攻撃するアカリ。しかしまたもや避けられる。

「くそ…当たりさえすれば…」
「…当ててみろよ。当てさせないけどな!」

徹の前方からの一撃、左手のナイフで防御するアカリ。しかし

パキン…

即座に左へと体を傾けるアカリ。刀がかすめる音がする。
どうやら、アカリのナイフが折れたらしい。

「なぜ…どうしてだ!折れるような重さはなかった…」
「折れたんじゃない」
「…何?」
「斬ったんだよ」
「斬った?」
「俺には力強さはない。ならどうするか?速さと技術で勝負する。刀を振り回すだけなら誰でも出来るんだよ」

――この半年…俺は夏夜と一緒に剣術を特訓した。剣の技術を上げるために。そして、自分のウリである“速さ”を鍛えた。

「俺は戦いを共に重ねていくとともに、凄い速さで成長を続ける奴らを見てきた。俺はそいつらに遅れるわけにはいかない。俺は、お前にも…あいつらにも負けたくないんだ」

アカリに近づき、もう一本のナイフを斬った。
峰打ちでアカリを叩き、押し倒す。喉元に刃先を近づけた。

「く…」
「俺の勝ちだ」

『いいえ、まだ終わりではありませんよ』

ふと声が聞こえる。闇の中から発せられているようだ。

「あ…主…?」
『闇の力を…あなたに授けましょう』

闇がアカリ本人の内部へと入っていく。徐々に彼女の体が黒ずんでいく。

『さぁ、闇よ。彼女に力を与えたまえ…!』

直後、アカリが刀を素手で掴み、徹を撥ね退ける。

「徹!」
「なんだ…あの力は」

徹はすぐに体制を立て直す、しかしすでに目の前にはアカリから投げられたであろう巨大なナイフが迫っていた。

「く…八花蟷螂!」

即座に放たれる高速の八連撃。ナイフは破壊され、地面に落ちると共に跡形もなく消失した。しかしそれはただのおとり。アカリの左手は徹の首を掴む。
首を絞められ、その反動で刀を地面に落してしまう徹。必死に抵抗をするも、無駄に終わる。

「徹を…放してぇ!」

夏夜は力を振り絞り風を利用し、アカリに突撃。的確に徹を掴んでいる左手を正宗で叩く。
徹はなんとかそれを利用し、アカリの手から抜け出す。

「…ゲホッ…畜生…なんだあのバカ力…」
「灼熱大回転!」
「炎の壁!」

距離をとり、すぐさままた炎の壁を作る二人。

「悪い…夏夜…」
「い…いいから早く次の…」
「徹、あなたの力で闇を追い払うことはできますか?」
「え?」
「先ほどの闇を追い出すことができれば彼女は元に戻るかもしれない。徹のイノセンス…“光”の力なら今までのイノセンスの力と同じように、闇を追い出すことができるかもしれない」
「…きゃあ!」

壁を作り出してからわずか数秒、もう炎は壊されてしまった。先ほどのパワーと比べ物にならないことは明らかなようだ。しかも巨大なナイフを出し続けているのに関わらず、一向に力が衰えるようなこともない。

「一か八か…そうするしかないな!イノセンス!力を貸してくれ…」
「援護します…夏夜は少し休憩を…」
「何言ってんの…?私も…やるから…」
「…二人とも…ありがとう…いくぞ!」

アカリがこちらに向かってくる。少々不気味な動きをしている。

「灼熱大回転!」
「炎よ、私に力を!」

ベイブレードによりまず一撃を与え、軽くアカリをひるませたイエローは即座に技を放つ。
そして夏夜はその力を利用し、

「炎の渦!」

アカリの周囲を炎で覆う。これは先ほどの壁の役割をしており、わずかにアカリの動きを止める。

「徹…決めなさい!」
「ああ!うおぉぉぉぉ!」

浄化の力を放出することをイメージしながら攻撃する。ふとした瞬間に刀から光の粒のようなものが出、輝きだし、光をまとう剣となる。

――この…力は?なんだ?…これなら!

炎を斬り裂き、そのままアカリの体に剣が触れる。触れた瞬間その場所から闇が漏れ出した。

「いっけぇええ!」

完全に振りぬき、アカリの体を切り裂く。だがアカリの体に外傷はない。
闇の力は完全に放出され、アカリはその場で倒れてしまう。
外傷がないのは恐らく徹がそう意識したから、ということであろう。

「か…った?」

脱力する徹、ゆっくりながらもこちらに夏夜とイエローの二人が近づいてくる。

「お疲れ様です、徹」
「いや、ありがと、二人とも」
「全くよ、感謝しなさい?」

ダメージは受けながらも、不利な立場からのアカリとの戦いは終幕を迎えた。
アカリは起き上がることもなく、ここら一帯の闇も晴れた。闇はどこへ行ってしまったのかと疑問を持ちながらも、アカリに闇を入れ込んだ黒幕のもとへと向かい始める三人。
3階の王の間にはどんな戦いが待ち受けているのであろうか?
一方、もうひとグループの方はというと…

「この階段、なんのためにあるんだ?」
「これはですね、まぁ簡単に言えば緊急避難用の階段でしょうね。手すりがないので注意して登ってください」

城の囲いとなっている壁の内部に侵入したレッド一行。隠しルートの先は城の内部ではなく、外であった。
しかし出てきたところの城の壁を見ると階段のようなものが見えた。三枝曰くこの階段は3階から続く非常階段のようである。
その階段を進む、三人であった。
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