■ FLASH☆STAR 番外編
傍らに咲く花に…
聖音亞零
傍らに咲く花に…
聖音亞零
研究発表のプレゼン部門も終わった。
出来は上々。タイムオーバーの心配も無い。
後は―――閉会式での結果発表――――
開会式同様、各校が整列する。
前は亀山。後ろは小野寺。真ん中俺。横から見ると伸長差で山みたいに……なんてどうでもいいんだ。
講評やら何やらが終わる。
正直、誰も聞いてなかっただろう。
「それでは、只今より成績発表、表彰式に移ります」
来た。
会場の空気が、硬く、淀む。
正直、誰か1人でも全国に行ければ良いと思う。
小野寺でも。亀山でも。俺でも。誰か1人。凪学園から全国に出したい。
「―――アナウンス部門に引き続きまして、朗読部門です。」
緊張した。
早く結果が知りたかった。
「3位―――東部高校3年 速水さん―――竜生高校3年 西川――――」
3位獲得者3名が全員呼ばれ、前に並ぶ。
周りの仲間とハイタッチしながら前に出る者、凛と前に出る者。三者三様だった。
やはり、3年生は強い。
「2位―――竜生高校2年 泉さん――――」
しずしずと1人、また前に出た
2位はあと1人――――
「―――北洋高校3年――――」
背中に寒気が走った
マトモに立ってられない
知らない3年生の背中を見送る
残るのは―――1位1枠―――
後ろからシャツが引っ張られるのに気付いた
ギュッと行き場の無い緊張を握りつける様に―――
「1位――――――――」
長い
長い
時が止まったかのように感じた。
頭の感覚が無い。
「―――――凪学園高等部2年 小野寺美鈴さん――――」
こんどこそ終わった―――……?―――?―――オノデラミスズ?
凪学園―――? 2年―――? 小野寺美鈴??????
1位――――?
最後の回路が繋がってようやく理解した
身体ごと思いっきり振り返る
小野寺が口を押さえて、驚いたような、泣きそうな顔をしていた。
「ほら、美鈴、あんただよっ…!」
もう、声も出ない俺に代わって後ろから亀山が「早く行け」と促す
俺は唖然とする他無かった
1位―――?
未だに信じられない。
小野寺も同じだろう。驚きの表情を隠せないまま前へ、歩いていく。
「やっぱりやってくれたね……ああ、夏樹。私、もう、ダメだわ」
鼻の頭を真っ赤にして目が潤んでいる亀山が居る
ステージの前に並んでいるのは紛れも無く小野寺。
俺は、多分、凄い間抜けな顔してたと思う。
「県優勝…かよ」
「そうだよ…」
目の淵が、とても、熱かった
☆
「テレビドキュメント部門――――」
小野寺の優勝の興奮も冷めぬ内に亀山が参加した部門の結果発表――――
3枠しか無い狭き門
しかし、亀山は敢えてソコを狙った
放課後も休日も。締め切り間近になると休み時間まで。
部室に篭って編集をしていた。
彼女の想いを。全国まで持っていって欲しかった―――
2位を終えて。1位の発表。
祈った。
1位で来い。と。
「1位―――――城西工業高校―――」
左の方で野太い歓声が響いた
亀山は、俺を振り返って「ま、美鈴が全国行くからいいよ」と、目を真っ赤にして呟くと、すぐに前を向いてしまった
いつもは、身長の割りに大きく見える背中も。小さく。丸まっていた――――
☆
「最後に、課題研究部門――――」
俺の番だ
テレビより更に厳しい2枠
元々音響担当の俺が出れるのはココしか無かったから出た。というだけで亀山みたいにカッコイイ理由は無い。
文系の俺が物理公式やらを理解してプレゼンやら原稿を作るのは相当苦労したが、その辺は理系の亀山や、原稿書きが得意な小野寺が助けてくれた。
いわば、俺1人。というより、小野寺と、亀山と、俺の、作品。
強豪。国立高専が参加している。
2位を取らねば後は無い。
それは、分かっていた――――
「2位――――北乃宮大付属高校――――」
―――――終わった
1位は高専で確定だ
でも、小野寺は県優勝で全国行き
俺は、それだけで、最後のコンテストは充分だと思う
小野寺に礼を言わなきゃ……亀山にも―――
「―――1位 凪学園高等部――――」
ん―――?
「夏樹っ!!」
ああ…。なんだよ。結局。
「夏樹ってば!」
優勝……してんじゃねえか。
「……夢?」
「現実だけど夢だよっ! ほら、早く行きな!早くっ!」
亀山に押し出されるように前へ出た
感覚が無い
…ってか「現実だけど夢」って何だよ亀山
喜びより前にツッコみが出来る辺り、まだ余裕らしい。
前に出る途中、さっきまで泣きそうな顔をしていた小野寺が少し笑って、小さく何か言っていたのを見た。
―――優勝した。
何より、小野寺と一緒に全国に行ける。
会場は東京。高校生最後の暑い、暑い夏は始まったばかりだった――――
出来は上々。タイムオーバーの心配も無い。
後は―――閉会式での結果発表――――
開会式同様、各校が整列する。
前は亀山。後ろは小野寺。真ん中俺。横から見ると伸長差で山みたいに……なんてどうでもいいんだ。
講評やら何やらが終わる。
正直、誰も聞いてなかっただろう。
「それでは、只今より成績発表、表彰式に移ります」
来た。
会場の空気が、硬く、淀む。
正直、誰か1人でも全国に行ければ良いと思う。
小野寺でも。亀山でも。俺でも。誰か1人。凪学園から全国に出したい。
「―――アナウンス部門に引き続きまして、朗読部門です。」
緊張した。
早く結果が知りたかった。
「3位―――東部高校3年 速水さん―――竜生高校3年 西川――――」
3位獲得者3名が全員呼ばれ、前に並ぶ。
周りの仲間とハイタッチしながら前に出る者、凛と前に出る者。三者三様だった。
やはり、3年生は強い。
「2位―――竜生高校2年 泉さん――――」
しずしずと1人、また前に出た
2位はあと1人――――
「―――北洋高校3年――――」
背中に寒気が走った
マトモに立ってられない
知らない3年生の背中を見送る
残るのは―――1位1枠―――
後ろからシャツが引っ張られるのに気付いた
ギュッと行き場の無い緊張を握りつける様に―――
「1位――――――――」
長い
長い
時が止まったかのように感じた。
頭の感覚が無い。
「―――――凪学園高等部2年 小野寺美鈴さん――――」
こんどこそ終わった―――……?―――?―――オノデラミスズ?
凪学園―――? 2年―――? 小野寺美鈴??????
1位――――?
最後の回路が繋がってようやく理解した
身体ごと思いっきり振り返る
小野寺が口を押さえて、驚いたような、泣きそうな顔をしていた。
「ほら、美鈴、あんただよっ…!」
もう、声も出ない俺に代わって後ろから亀山が「早く行け」と促す
俺は唖然とする他無かった
1位―――?
未だに信じられない。
小野寺も同じだろう。驚きの表情を隠せないまま前へ、歩いていく。
「やっぱりやってくれたね……ああ、夏樹。私、もう、ダメだわ」
鼻の頭を真っ赤にして目が潤んでいる亀山が居る
ステージの前に並んでいるのは紛れも無く小野寺。
俺は、多分、凄い間抜けな顔してたと思う。
「県優勝…かよ」
「そうだよ…」
目の淵が、とても、熱かった
☆
「テレビドキュメント部門――――」
小野寺の優勝の興奮も冷めぬ内に亀山が参加した部門の結果発表――――
3枠しか無い狭き門
しかし、亀山は敢えてソコを狙った
放課後も休日も。締め切り間近になると休み時間まで。
部室に篭って編集をしていた。
彼女の想いを。全国まで持っていって欲しかった―――
2位を終えて。1位の発表。
祈った。
1位で来い。と。
「1位―――――城西工業高校―――」
左の方で野太い歓声が響いた
亀山は、俺を振り返って「ま、美鈴が全国行くからいいよ」と、目を真っ赤にして呟くと、すぐに前を向いてしまった
いつもは、身長の割りに大きく見える背中も。小さく。丸まっていた――――
☆
「最後に、課題研究部門――――」
俺の番だ
テレビより更に厳しい2枠
元々音響担当の俺が出れるのはココしか無かったから出た。というだけで亀山みたいにカッコイイ理由は無い。
文系の俺が物理公式やらを理解してプレゼンやら原稿を作るのは相当苦労したが、その辺は理系の亀山や、原稿書きが得意な小野寺が助けてくれた。
いわば、俺1人。というより、小野寺と、亀山と、俺の、作品。
強豪。国立高専が参加している。
2位を取らねば後は無い。
それは、分かっていた――――
「2位――――北乃宮大付属高校――――」
―――――終わった
1位は高専で確定だ
でも、小野寺は県優勝で全国行き
俺は、それだけで、最後のコンテストは充分だと思う
小野寺に礼を言わなきゃ……亀山にも―――
「―――1位 凪学園高等部――――」
ん―――?
「夏樹っ!!」
ああ…。なんだよ。結局。
「夏樹ってば!」
優勝……してんじゃねえか。
「……夢?」
「現実だけど夢だよっ! ほら、早く行きな!早くっ!」
亀山に押し出されるように前へ出た
感覚が無い
…ってか「現実だけど夢」って何だよ亀山
喜びより前にツッコみが出来る辺り、まだ余裕らしい。
前に出る途中、さっきまで泣きそうな顔をしていた小野寺が少し笑って、小さく何か言っていたのを見た。
―――優勝した。
何より、小野寺と一緒に全国に行ける。
会場は東京。高校生最後の暑い、暑い夏は始まったばかりだった――――
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